怒り、不快感を示す内容のメールを送付するとトラブルにつながる
みなさん、こんにちは!
今日は日ごろの弁護士の業務から伝えたいこととして、「怒り、不快感などの負の感情を示す内容のメールを送付するとトラブルにつながる」というテーマでお話します。
皆さんが普段仕事などのやり取りで使うE-mail。
仕事で使うには非常に便利ですし、毎日欠かさずに見るものですよね。
e-mailの使い方としては、基本的には情報や事実の伝達が主な役割になっていると思います。
もっとも、このe-mail、タイトルで述べるように、怒りの感情や不快感などの負の感情をを示す際には、利用は避けるべきです。
感情表現の中でも好意的な表現、「楽しかったよ」、「面白かったね」などという感想をe-mailで伝えることはとても良いものだと思いますし、
感謝や謝意を伝える場合、口頭だと上手く伝えられない人でも、相手方に自分の素直な気持ちを伝えやすいという点で、e-mailはおすすめです。
もっとも、感情的な怒りや不快感を示す場合には、e-mailではなく、電話や直接の面談で伝えるようにしましょう。
e-mailで怒りや不快感を伝える場合は、どのような理由でそのような感情を抱いているのか、相手にその経緯や遺恨の度合いがはっきり伝わりません。
長文の怒りのメールであれば、読み手は怖いと引いてしまいますし、一方で、短くてもそのニュアンスや理由が伝わりずらくなってしまいます。
文章が短い場合は、怒りの感情があることはわかりますが、文字でしか書かれていないその内容からは、かえってその真意が伝わらず相手方はどんな怒りを抱えているのか気になってしまいます。読み手の方で勝手にトラブルが生じたと深刻に考えることつながり、非常に良くないインプレッションを与えてしまいます。
実は意見を伝えている側は、実はそんなに重くとらえていない場合も、読み手としては重くとらえてしまうことが起こりやすいです。
トラブルが起こったと頭に印象付けられた読み手の側は、今度から相手方とは関わるべきでないと勝手に想像を膨らませるうちに考えてしまいます。
メールで送付したために、相手方からもそれに反抗する内容のメールが届けばいよいよトラブルは深刻化してしまいます。
人間は肯定的な感情よりも否定的な感情を何倍も強く感じやすい生き物です。メールのやりとりでは、特にその負の感情を増幅させやすいという特徴があります。
e-mailは送信履歴が記録されるため、紛争になった場合には、その内容が証拠として残されることで、言った言わないという議論にはなりません。そのため、紛争の証拠化という点ではe-mailはうまく使えます。
もっとも、今後も関係が継続するような相手方や親しい相手方とのやりとりでは、負の感情を表現する場合は、今後の相手方との関係を良好に保てるように、e-mailで伝えるのは絶対に避けるべきだと思います。
事実、相談に来られる方でも、ひどいe-mailが来ていてパワハラですなどと主張される方が多い印象です。(実際にそれがパワハラにあたるかどうかはおいておくとしても・・)
負の感情を相手に伝えて、自分の意見を表明しておきたい場合には、電話や口頭で伝えるのが一番です。
同じことはプライベートで利用するラインなどでメッセージを送信するときも同様です。
負の感情は文言以上に、怒りのエネルギーを増大させるため、ラインで細かくも不満を伝える文章を打つのも避けるべきでしょう。
佐藤大蔵