どうすれば詐欺にあわないか。詐欺を見抜く方法
こんにちは、弁護士の佐藤大蔵です。
今日は、詐欺の被害者にならないようにするためにはどのような点に注意をすればよいかということについて書きたいと思います。
詐欺を見分ける・見抜く方法
老後2000万円問題など、将来性の不安をあおる報道が連日されていることから、投資詐欺などが今後増えてくる可能性が高いと思っています。
詐欺にひっかからないようするために、取引に関する教養、リテラシーを高めてほしいと思っています。
弁護士をしていて思うのですが、詐欺事件というのは、あくまでもその取引に応じた当事者同士で起こるトラブルであり、互いの取引の結果である以上はあくまでも需要と供給で成り立っているといえてしまうということです。
もちろん、騙す方が悪いのは明らかなのですが、だまされる人がいるから成り立ってしまうこそ成り立つ取引であるということです。
騙される方も少しでも楽にお金をかせぐことができる、いい話であるということに耳を貸してしまうことから、トラブルに巻き込まれてしまいます。
現実問題としては、警察が詐欺事件を立件することがなかなか難しいという側面もあります。
そのため、騙される人が少なくなるということが、詐欺をなくなっていくために大切なことだと思うのです。
自分の身を自分で守れるようにすることが大変重要になります。
そこで、弁護士の視点からどのような取引が詐欺といえそうか、怪しい取引についてお伝えいたします。
詐欺事件はどのような被害金額の相談が多いか
まず前提として、弁護士が詐欺事件の相談を受ける際には、よくある詐欺事件の相談の被害
金額は、50万円以下、多くは20万程度の被害事件が多いように感じます。
これはこの程度の金額であるとへそくりや手持ちの預金で一般の方でも比較的金銭を渡す事が可能な金額であることが多いからなのかと思います。
そして、被害者が泣き寝入りしやすい金額ともいえます。
理由は、弁護士に交渉を依頼した場合に最低でも10万円程度費用がかかってしまうことが通常であること、
回収しようとしても、相手が既に金銭を費消しており、十分な資力を有していないケースであれば、回収ができないという可能性もあることから、この程度の金額であると諦めやすいというのがあるのかと思います。
まずは詐欺にあわないように慎重な対応をする事が重要です。
詐欺取引の特徴、怪しい取引の特徴
必ず利益が出る・手軽に簡単にたくさん儲ける事ができるという話
ネット広告などでも「簡単に儲けることができます」などの悪徳業者のように見える怪しい広告が沢山あるかと思います。
このようなわかりやすい怪しい取引には応じないことが一番ですが、
そこまでわかりやすいものでなくても、年利50%以上が必ず出る、このような技術があるから〜必ず利益が配当されます。
などと、専門的な知識を有していることの説明、あたかも確かなように見える説明をしてくる方もいるかと思います。
その上で投資を行わないかなどという話を持ちかけてくる人にあったことはないでしょうか。
誰でも手軽に簡単に儲かるなど利益を約束するようなことを言う人
このような簡単に大きな利益が出ることを伝え、投資を勧誘する行為をするような人ははっきりいって怪しいと疑うべきです。
普通に考えれば、そんなに利益が出るビジネスであれば、一般人からお金を集める必要はないといえます。
普通は少額しか集められない個人からお金の出資を求めるのではなく、企業やより大きな金額を出資してもらえば、普通に大きな利益を手に入れることができるはずです。
また、人に教えることはせずに自分が利益を上げるように努力するのではないでしょうか。
何かしらうまい説明をして、さも根拠があるように見せるのが上手い人が多いのかと思いますが、まずは疑うべきであって、取引に応じないことが懸命であると思います。
不動産の投資の電話などがかかってくることがある人もいるかと思いますが、本当に有益な物件であれば、電話でセールスなどする必要は全くないはずです。
売れない不良物件であるから、人を丸め込ませようとセールスをしている以外にありえません。
もちろん、このような勧誘が全て詐欺であるというつもりはありません。
けれども、相手方がなぜあなたにこのような取引を勧誘するのか、その動機がわからない以上、怪しいと疑うべきだと思います。
はじめは配当金を出して出資者を信じさせる
よくある詐欺事件の典型パターンとしては、
はじめは約束をした利息の配当金をしっかりと出資者に分配しているというケースです。
極めて高利回りの金額をあなたにだけだ紹介するなどとして勧誘し、配当を約束します。
そしてはじめは複数回、被害者にはじめは分配するのです。
そして、被害者を十分信じさせたところで、新たな出資金を求めて、
被害者は安心して出資金を払ってしまったところで消えてしまうというケースです。
このような投資詐欺などはよく相談のある典型パターンです。
広告やHPに氏名、住所、会社情報がきちんとのっていない
取引をする相手については、必ず情報を調べるようにしてみてください。
個人の人であれば、氏名、住所、電話番号などの個人情報は調べる。
会社であれば、代表者の氏名、会社の住所、電話番号、出資金などの情報は必ず調べるようしてください。
情報がわからないまま取引をするのはあまりにもリスクが高いです。
相手方の氏名がわからないまま取引をすると住所もわからず、最終的に裁判などで回収することが困難となる可能性が高くなります。
このような相手方の詳しい情報がわからないケースの場合基本的に取引に応じるべきではありませn。絶対におかしいからです。
相手方へ求めても開示してこない場合は、特に決定的に取引をするべきではありません。
また、入金先として指定された銀行口座が、全く知らない人の口座であるケース。
このようなケースも注意が必要です。
ネット上に詐欺などの情報がのっている
ネット上に詐欺と書いてある情報があるからといって、本当に詐欺事件をおこしているかなどは確かな情報ではないかと思いますが、
あなたが少しでも怪しいと思った上で、詐欺などの情報が上がっているのであれば、怪しい相手であることは間違いないといえるでしょう。
契約書などの証拠を残したがらない
詐欺師は被害者からお金をとって、そのまま消えたいと考えている場合
やはり契約書などを一切残しません。
しかし、普通の取引であれば、どのようなサービスを提供し、
いくらの金額がかかるのか、取引には契約書が作成されるのが通常です。
契約書がない取引、請求書や領収書が発行されない
などの取引の場合には怪しい取引であると疑ってかかるべきです。
このような怪しい取引に勧誘された場合には、きちんと考える時間をおいてください。
怪しいかもしれないと思ったら、時間をおいて調べてみるというのは非常に大切です。
詐欺師氏の手法として、
今日だけの価格であるから、今日決断してもらえないと金額が上がってしまいますよ。
あなただけにこの価格で提供しているんですよ。
など、取引の特別感などを出してくることもあるかと思います。
詐欺師は少しお得な取引という、他の人に教えたくない、
私だけが得をできるかもという人の心理をうまく使って、勧誘を行います。
このような勧誘に応じることなく、冷静に対応することが大切です。
弁護士による通知文
いきなり弁護士から支払いを請求する通知がきたという場合も、怪しいなと感じたら、弁護士の氏名等を調べるようにしてください。
弁護士は日本弁護士連合会での登録で、登録番号をそれぞれネット上で公開することとなっています。そこで、ネット検索で弁護士が登録されている弁護士であるか情報を調べてみてください。
また、すぐに建物を差し押さえますなど書いてある場合は要注意です。
通常、一度裁判をして判決文をもらわなければ、建物、預金の差し押さえなどはできないためです。
いきなり差し押さえをするなど書いてくる業者の場合は実際はただのハッタリであるといえますし、そのような虚偽の主張を通知してくることは弁護士であれば考えられません。
最後に、詐欺に引っかからないという視点では、
影響力の武器という
本が非常におすすめです。
詐欺だけでなく、うまくセールスされてものを買ってしまったなどという人多いかと思いますが、
セールス力を上げたい人、詐欺にあいたくない人、
いずれにも非常に有益な名著になります。
弁護士 佐藤 大蔵